おすすめのカメラをあげたところで、今度は撮り方のことを考えてみたい。
まずは撮影モードについて。上手くなりたいならフルオートはやめなさい、という話からはじめることにする。
もっとも、まわりに写真好きやカメラ好きがいたりすると、すでに耳タコ状態になってるかもしれないが、どうしてフルオートがダメなのか、というところも含めて説明していくのでしばらくお付き合いいただければと思う。
さて、ワタシがフルオートをやめなさいと言う理由は簡単。カメラまかせのフルオートではうまく撮れないシーンが世の中にはいくつもあるからだ。
なので、初心者こそフルオート以外のモードを使うべきこと、それからどういうところに注意すればいいのかを説明していく。
目次
「シャッターを切る」以外の自由を捨てるのがフルオート
一眼レフにしてもミラーレスにしても、今どきはほとんどすべてのカメラにフルオートのモードがある。写真を軽ぅく楽しみましょう的な人たちは「まずはフルオートでカメラに慣れましょう」なんてことを言う。
でも、普通に考えたら、フルオートの状態のカメラでやれることと言ったら、構えてズームを動かしたら、あとはシャッターボタンを押すぐらいのものだ。
って思っちゃう。
スマホやケータイ(のカメラ機能)やコンパクトカメラを使った経験のある人ならとっくに慣れているはずなので、そんなのはばっさりはしょっちゃってOK。さっさと次のステップに進んじゃおうね、である。
それと、もうひとつ。
フルオートはとてもらくちんな機能だけど、その代わりに自由がないモードでもある。
「こんなふうに撮りたい!」という気持ちがあったとしても、そういうのはまるっとシカトされてしまう。
その理由は、フルオートというものが、「あなたのような初心者が下手に手を出すと失敗するだけだからカメラにまかせておきなさい」という思想にもとづいたモードだからだ。
それなりのお金を払って買ったカメラを、自分の思うとおりに操作する権利を放棄させられるのがフルオートなのだ。
そんなの楽しくないよね。
色と明るさの調整ができないから思いどおりに写せない
もちろん、最近のカメラのフルオートは昔と違ってとってもお利口さんになっている。なので、だいたいのシーンはフルオートにしておけばそれなりの写りになってくれる。
でも、たまにははずすこともある。
と言われるが、ワタシの感覚だと、かなり頻繁にはずしてくれる。
たとえば、この写真は黄色いバラを画面いっぱいにして撮ったものだが、これをフルオートで撮ると、だいたいは色があせたようなしょっぱい写り方になる。
もうひとつ、撮りたいものに比べて背景がうんと暗いパターン。これはフルオートだとぼへっとした薄明るい写真になってしまう。
このブログをPCで見ている人は、ここに載せた2枚の写真をお手持ちのカメラ(まだ買ってないとかならスマホでもいい)で見てみてもらいたい。
あ、一眼レフの場合はライブビューに切り替えてほしい。
黄色いバラは青みがかって見えるだろうし、赤いバラは白けて薄味になっているんじゃないかと思う。
フルオートだからこうなるというのではなくて、オートだとどうしてもこういうふうになっちゃうんである。
問題は、こういうシーンに対応するための手段はちゃんとあるにもかかわらず、フルオートの状態では手も足も出せないこと。
つまり、機能はあるのに使えない。役に立たない。メニューを見ても、設定できない項目ばかり。
だから、使うのはやめなさい。そう言っているわけだ。
上手くなりたければ色と明るさを調整できるモードを選べ
じゃあ、どうしたらいいか?
フルオートがダメならほかのモードを使えばいい。
ワタシ的にはプログラムオートをおすすめする。
プログラムオートは、メーカーによっては上級者向けのモードに分類していたりするが、ほとんどカメラまかせで撮れるモードなので、フルオートと同じような感覚で使える。
ただし、自由にできる部分はフルオートよりもずっと多い。
それだけに、やらなくちゃいけないこと、考えなくちゃならないことも多くなる。
でも、使う機能は2つだけ。それに、操作はどちらも難しくない。
ひとつめはホワイトバランス。これは色を左右する要素で、フルオートではカメラが自動的に調整するAUTO(オート)、またはAWB(オートホワイトバランスの略)に固定されている。
もうひとつは露出補正。こちらは画面の明るさを調整する機能だ。これもフルオートではわざと動かせないようになっている。
この2つの機能をちょっとだけ操作する。そのちょっとの手間をかけるだけで、フルオートだとうまくいかないシーンがばっちりになる。だから、試してみてもらいたい。
前半のまとめ
例によってまた長くなっちゃったんで、今回はここまで。
ようするに、上手くなりたいならフルオートはやめてプログラムオートを使いなさい、ってことである。
次は、ホワイトバランスと露出補正をどう操作するのか、そして、それがどんな結果になるのかについて書く予定だ。
あと、念のために書いておくと、このブログでは最低限使用説明書の見方がわかっている前提で記事を書いている。なので、カメラのどこをどう操作するのかについては説明しない。
大事なことは使用説明書に書いてあるのだ。
最近のは分厚すぎて覚えきるのは不可能だが、どこにどんなことが書いてあるのかを把握しておくと、困ったことが起きたときに対処しやすい。
ざっくりで構わないので、目をとおしておくぐらいのことはやっておいてほしい。
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