三脚撮影時に忘れずにやってほしいたった1つのこと

ども、北村です。

唐突ですけど、三脚を使って撮るときに手ブレ補正がオンのままだとブレるって知ってました?

いやまあ、知っている人にとっては超基本事項なんですけど、知らない人もけっこう多いっぽい気もするので書いてみようかと思った次第。どうしてオンのままだとブレるのか、についてもこのあと説明しますので、お時間のある方はお付き合いくださいませ。

夜景などを撮るときには三脚は必須。でも、三脚を使って撮るときは手ブレ補正を忘れにオフにしないといけません。

手ブレ補正がオンだとブレることがある不思議

ご存知のとおり、三脚はカメラを固定するためのもので、手ブレが起きやすい夜景などを撮るときには欠かせません。ワタシは仕事の関係で昼間でも頻繁に使います。

というのは、レビュー記事などでは同じシーンを条件を変えて撮ったものを並べて見せる比較作例をよく使うので、フレーミングがズレたりしないように三脚に固定する必要があるからです。

そんなときは手持ちにしたり三脚に固定したり、両方取り混ぜて撮ることが多いので、ついつい手ブレ補正のスイッチを切り忘れてしまうわけです。

で、そうするとどうなるかって言うと、たまぁにブレるんですよ。撮ったのが全部ブレてれば、鈍いワタシだって気づきもしますけど、けっこうブレずに写ることも多いんです。でも、枚数を撮っているとそのうちの1枚2枚だけブレる。

たとえば、ISO感度の違いによる画質の変化を比較作例にする場合、最低感度から最高感度までを同じ場所、同じ被写体、同じ光、同じピント、同じ絞り値で撮らなきゃいけません。ISO100からISO25600までなら9枚。これに高感度ノイズの低減処理の設定による違いも把握したければその種類ぶん。4種類なら36枚です。

カメラが1台だけならこれでOKですけど、複数のカメラで見比べたいとなると、露出レベルの違いを吸収するために段階露出をやらないといけません。それを4枚ずつ撮るとすると合計144枚。それぐらい撮ると、そのうちの1枚2枚はブレたのが出てくる。そういう感じです。

厄介なのは、ブレる率がそれほど高くないところ。

たまぁにブレるだけなら見かけ上の被害は小さいですし、たいていの人はそんなに枚数を多く撮りませんから、ブレた経験がない人もいるかもしれません。もしブレていたとしても、撮ったその場で拡大して確認するクセのある人でなければ気づかない可能性も十分あります。

が、比較作例の場合、1枚でもブレていたら全体がボツということがありえます。144枚(カメラによってはもっと多くなります!)×台数分が全部ぱあ。そういう危険性もあったりするわけで、だからおそろしい。

そのうえ、三脚撮影時の手ブレ補正の設定については、実はメーカーによって、また機種によっても違いがあります。全部が全部オフを推奨というわけでもないのがややこしい。そのあたりもこのあと触れていこうと思ってます。

ブレには手ブレと被写体ブレの2種類がある

その前に、そもそも「ブレ」とはどういうものであるのか、それと、どうして三脚撮影時にブレることが起きるのか。ということについて説明しておきます。これがわかってないと、手ブレ補正をオフにしなきゃいけないのがなぜなのかも理解できませんから。

さて、ブレとはなにか。というと、撮像センサーやフィルムの面に映っている像が動いてズレる現象です。というだけだとわかりづらいかもしれませんので、もうちょっと細かく説明します。

カメラというのは、レンズを使って光を曲げて、それを撮像センサーやフィルムに像として映す仕組みです。おおざっぱですけどね。昼間の明るいうちだと光が十分にあるので、シャッター速度(シャッターが開いて撮像センサーやフィルムに光が当たる時間の長さ)を速く(短く)できますから問題はないのですが、夜とか室内のような暗いシーンだと光の量が十分ではありません。なので、シャッター速度を遅く(シャッターが開いている時間を長く)しないといけません。

このとき、つまり、シャッターが開いているあいだにカメラが動いてしまうと、撮像センサーやフィルムに映っている像も動いてしまいます。輪郭がズレて重なって写ったり、にじんだようにぼやけて写るのです。これが「ブレ」です。

ブレには何種類かあって、おおざっぱには「手ブレ」と「被写体ブレ」に分類されます。

手ブレはカメラを支えている手が動いてしまうことによって起きるブレで、画面全体がズレたりにじんだように写ります。ごくわずかな手ブレの場合、ピントがちゃんと合っていないピンボケと混同されがちですが、ピンボケはねらいと違う部分にピントが合っているケースもあって、こちらはブレと区別しやすいです。

三脚を使ってカメラを固定するのは、この手ブレを防ぐためです。カメラやレンズに内蔵されている手ブレ補正機能も、手ブレを抑えるのに効果的ですが、シャッター速度がうんと遅い条件になるとやっぱりブレてしまうので、夜景などを撮るときは三脚を使うのが基本ということになるわけです。

一方の被写体ブレは撮影する対象(被写体)が動いてしまうことによって起きるブレで、まわりのものはシャープに写っているのに、被写体やその一部だけがぼやけて写ります(手ブレが同時に起きる場合もあります)。これを軽減するにはシャッター速度を速くする必要があり、そのためには感度を高くすることになります。

手ブレ補正がオンだからブレる

手ブレ補正は文字どおり、手ブレを補正(軽減)する機能で一眼レフカメラ用としては、1995年にキヤノンが発売したEF 75-300mm F4-5.6 IS USMに初めて搭載され、現在は一眼レフやミラーレスカメラ、コンパクトカメラのほか、ビデオカメラやスマートフォンなどにも広く使われています。

手ブレ補正はジャイロセンサーで手ブレを検知し、それを打ち消すようにレンズの一部や撮像センサーを動かして、撮像センサーやフィルムに映る像がブレによって動いてしまうのを止める仕組みです。

人間の体はわりとゆっくり揺れる(振動の周波数が低い)ので、手ブレ補正も当然低い周波数の揺れに対して検出および補正動作を行ないます。それに対して、三脚はアルミやマグネシウムといった金属やカーボンファイバーなどの硬い素材でつくられています。軽く叩いてみると、「かぁん」と響く感じで、これは振動周波数でいうと高い揺れ方です。

この高い周波数の揺れを、手ブレ補正は正しく検出できませんし、正しく補正もできません。なので、おとなしくじっとしていてくれればいいんですけど、揺れていることだけは検出できるだけに、なんとかしなきゃ、って思っちゃうらしいんですね。

ようは、揺れを検出→ブレていると判断→補正動作を行なう、になっちゃうわけです。

補正を行なうというのは、レンズの一部や撮像センサーを動かす、ということ。でも、三脚の揺れ方に対応した補正はできないので、揺れを打ち消さない動作をしてしまう。

揺れを打ち消さない動き、ってことは、揺れをつくる動き、ってこと。

つまり、ブレを生み出す動きをしてしまう。ということです。これが、手ブレ補正をオンにしたまま三脚に載せるとブレるメカニズムです。

使用説明書の記述をチェックしてみた

では、カメラメーカー各社の使用説明書をチェックしてみます。

オリンパスの使用説明書には基本的に「三脚使用時は[手ぶれ補正]を[OFF]にしてください」と書かれています。ただし、オンのままでも誤動作を起こさないことを目指しているそうで、わりとオンのままでも大丈夫です。誤動作の可能性はゼロではありませんが、かなり低いと考えてよさそうです。実際、ワタシもオリンパスのカメラはほとんどオンのままで使っていて、ブレた経験はありません。

キヤノンは一眼レフとミラーレスカメラとで少し記述が異なります。一眼レフの多くは「電池が消耗して撮影条件により撮影可能枚数が少なくなることがあります。三脚使用時など補正の必要がないときは、手ブレ補正スイッチを〈OFF〉にすることをおすすめします」となっている一方、ミラーレスカメラのEOS Mシリーズでは「三脚などでカメラを固定するときは、[切]にすることをおすすめします」とのこと。両方を使っている方はこんがらないように注意が必要ですね。

ソニーの場合はオフが推奨で、「三脚を使う場合には、手ブレ補正機能が誤動作するおそれがあるため、[手ブレ補正]を[切]にしてください」が基本です。ワタシも、オンにしたまま三脚撮影をしてブレた経験があります。

ニコンは装着するレンズによって異なります。AF-S 24-120mm F4 G ED VRやAF-S DX 18-140mm F3.5-5.6 G ED VRでは「三脚を使用するときは、手ブレ補正スイッチをOFFにしてください。ただし、三脚を使っても雲台を固定しないときや、一脚を使用するときには、スイッチをONにすることをおすすめします」と記述(D850、D7500、D5600、D3400の使用説明書による)。

一方、D500のキットレンズのAF-S DX 16-80mm F2.8-4 E ED VRでは、「三脚撮影時にONにすると、三脚ブレを軽減します。また、三脚を使っても雲台を固定しないときや一脚を使用する場合は、ONにすることをおすすめします。ただし、三脚の種類や撮影条件によりOFFにした方がよい場合があります」となります。つまり、三脚でもオンが推奨というわけです。

パナソニックは「三脚を使用するときは、手ブレ補正を[OFF]にすることをお勧めします」、フジフイルムは「三脚使用時はOFFにすることをおすすめします」で、やはりオフが推奨です。

ペンタックス/リコーはちょっと謎で、最近の機種(K-1、KP、K-S2、K-S1、K-70、K-3、K-3 II)の使用説明書には三脚撮影時の手ブレ補正についてはまったく触れられていません。ウェブサイトにも情報はありません。

一方、少し前のK-5 IIでは「近距離での撮影では、手ぶれを補正しきれないことがありますので、手ぶれ補正機能をオフにして三脚などを利用することをお勧めします」となっていますし、その少し前のK-5やK-7の使用説明書には「三脚を使用する場合は、手ぶれ補正機能は使用しないでください」と書かれています。

新しめの機種でなにも触れられていないのは、三脚撮影を検出して手ブレ補正を自動的にオフにしてしまうからか、三脚対応のブレ補正を行なうのか、それともオフにしないと誤動作の可能性があるのかどうかも不明。謎ですね。

まとめ

ここまでいろいろ考えてきましたけれども、基本的には三脚撮影時は手ブレ補正をオフにしたほうが無難。というのが結論です。ただし、ニコンのレンズの一部は三脚向けのブレ補正をしてくれますから、その場合はオンにしておいたほうがいいと言えます(これも条件次第なので、必ずしもオンがいいとはかぎりませんが)。

それと、前にも書きましたが、オフにし忘れたからといって、絶対にブレるともかぎりませんから、そのへんはもう気にしない、という選択肢もあります。

ただやっぱり、オフにしたほうが安全なのは間違いないですから、できるだけ忘れずにオフにするようにしましょう。あと、三脚から外して手持ちにしたときにオンに戻すのも忘れないようにしましょう。

手ブレ補正をオンにするのは手持ち撮影のときだけですよ。

 

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