シグマのMOUNT CONVERTER MC-11はαユーザーの強い味方なのだ

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カメラ好きのあいだでは、カメラやレンズ、それらに関連するアクセサリーが増えることを「生える」と言う。

仕事帰りにふらりと中古屋さんに立ち寄ったはずみで、本人にはそのつもりがないのに荷物が増えたりする。まるで何もなかった地面から草の種が芽を吹いて花を咲かせる。

そんなふうにも見えるところから「生える」という表現が生まれたのかもしれない。

が、ぶっちゃけ、そんなのはただのいいわけにすぎない。「買う気はなかった」なんてセリフの96%は嘘っぱちで、残りの4%にしたところで財布が軽くなった実感は持っている。「頭の中の天使がそうささやいたんだ」とかとたいして変わらない。

与太話はうっちゃって。特に新しいカメラを手に入れた直後は、浮かれ気分が手伝っていろんなアイテムがいろんなところから生えがちなのに油断はならない。

ソニーのフルサイズミラーレスカメラのユーザーの場合、いちばんに気をつけないといけないのが、シグマのMOUNT CONVERTER MC-11である。

価格は税別で37,500円。大手量販店では税込み3万円弱で手に入る。ポイント還元がないショップだともう少し安い。

MC-11を使うとキヤノン用やシグマ用のレンズがαにつけられる

さて、「マウントコンバーター」というのは、文字どおりマウントを変換するアクセサリーのことで、一般には「マウントアダプター」のほうがとおりはいい。

MC-11の場合は、レンズ側のマウントがキヤノンEFマウントまたはシグマSAマウントの2タイプがあって、ボディ側のマウントはソニーEマウント。つまり、ミラーレスカメラ用なわけだ。

フルサイズのミラーレスαを買うとわりと高確率で生えてくるとうわさのシグマMOUNT CONVERTER MC-11。シグマ製のキヤノンEFマウント用またはシグマSAマウント用のレンズをα7シリーズやα9、α6500などに装着できる。

MC-11に対応しているレンズについて

使用できるのは、キヤノンEFマウントのシグマ製レンズ、およびシグマSAマウントのシグマ製レンズということになっている。ちょっとややこしい。

前者にはキヤノンの純正レンズはもちろん、タムロンやトキナーといったレンズメーカー製のレンズは非対応。つけられるにはつけられるものの、ちゃんと動くかどうかの保証はない。

後者はたぶんほかからは出ていないだろうが、シグマが動作を保証しているのはSGV(シグマ グローバル ビジョン)のレンズだけで、具体的には製品名に「Art」「Sports」または「Contemporary」のいずれかがついたものだけとなっている。

非SGVレンズを装着した場合

それ以外のレンズがどうなのかというと、ものにもよるが、それなりには動くらしい。

ほんとは非対応なのに、だからがんばる必要なんてないのに、シグマさんがいろいろやってくれていて、おかげでそこそこ動くレンズもあるらしい。

とは言え、AF駆動が遅かったりピントが迷ったり露出があやしかったりとかはあるっぽい。絞り開放での使用になることも覚えておいたほうがいい。

シグマのSGVレンズはソニーの純正Eマウントレンズと同じく実絞りで測距や測光を行なう仕様だが、そうでないレンズは一眼レフ用レンズをマウントアダプターを介してつけたのと同じあつかいになるのだろう、絞り開放での測距や測光となる。

撮影前に被写界深度を選びたいのであれば、いずれかのボタンに「絞りプレビュー」か「撮影結果プレビュー」を割り当てておく必要がある。

使えるレンズが一気に増える→当然生える

ワタシの場合、シグマsd Quattroを使っているのでSAマウントのレンズがすでに何本かある。なので、MC-11を手に入れるとαにつけられるレンズが一気に増えるわけだ。

ご存知のとおり、ソニーの純正レンズはけっこうお高い。「あ、これよさそうだなぁ」というレンズは軒並み10万円を超える。ので、そうそう簡単には手が出ない。

それが、MC-11なら3万円を切る出費で使えるレンズがぐっと増やせるのだから超経済的。お買い得間違いなし。むしろ、買わないほうがどうかしてる。みたいな精神状態になってしまう。

純正レンズを買うより安上がり。むしろオレは節約してるんだからエライよね、ぐらいの感覚である。諭吉さんが3人もいなくなったというのに、である。

こんなふうに、物を増やしがちなものだから、自分をだましたりごまかしたりするために「生える」と言い換えてしまうのである。ほんと、タチが悪いんである。

MC-11とシグマArtレンズを組み合わせてソニーαで使ってみる

この時点でワタシの手もとにあったレンズは、18-35mm F1.8 DC HSM Artと50mm F1.4 DG HSM Art、それからマクロ 105mm F2.8 EX DGとAPO マクロ 150mm F2.8 EX DG OS HSMの4本。

名前に「Art」がある2本はSGVレンズなので、MC-11にもフルで対応できる。ただし、18-35mm ArtはAPS-Cサイズ向けのレンズなので、フルサイズで撮ると周辺部がケラレてしまう。

画素数に余裕のある「R」系はまだしも、2400万画素の無印系やα9は3936×2624ピクセル(約1033万画素)記録となってしまう。それ以前に、せっかくフルサイズ機を買ったんだから、やっぱりフルサイズで撮りたいよね、って思ってしまう。

50mm ArtはAF-Cの作動音以外は問題なし

MC-11が生えた時点で持っていたフルサイズ対応レンズは50mm Art、105mmと150mmのマクロレンズの計3本。あとになって、14-24mm Artと100-400mm Contemporaryも生え、その後、EマウントのArtレンズもあれやこれやが生えてきたりして今にいたるわけだが、とりあえずは先にあげた3本の話をする。

50mm ArtはMC-11対応のレンズで、動作としてはばっちりである。位相差検出とコントラスト検出を併用するファストハイブリッドAFにももちろん対応している。

初期はAF-S(シングルAF)しかサポートされていなかったが、AF-C(コンティニュアスAF)も使えるようになって、ネイティブのEマウントレンズにはおよばないものの、それなりの使い心地に成長している。

この記事の手直しをしている2018年12月現在、α7R IIIとの組み合わせでは、AF-Sはスムーズかつスピーディーで精度も文句なし。合焦マークが出ているのに実はピンボケでした、なんていうポカもないではないが、これは純正レンズでもちょくちょく起こる。

ただし、AF-C時はピントの駆動音が少し気になる。

AF-C動作中に、ずっと「コココココココ……」みたいな音がするのである。この現象はリング型の超音波モーターを使用した一眼レフ用レンズをミラーレスカメラ(または一眼レフのライブビュー)で使うと起きやすいように思うが、AF作動中にずうっと鳴りつづけるので少々耳ざわりである。

ちなみに、ネイティブのEマウントのレンズだとこういう作動音はしない。AFの動作自体もさらに滑らかで速い。そのあたりがMC-11+SAマウントレンズとの違いである。

非SGVレンズは動作が少しあやしい

2本のマクロレンズはMC-11には非対応で、動作も一部違っている。

AFは一応動く。AF-Cも使える。動くだけでピントは合わない、なんてこともない。

が、画面中央部以外だとピントが行ったり来たりするだけで、合う気配すらなくなってしまうこともある。もとが非対応なのだから、多くを期待するほうがいけない。まあ、気の長い人ならそれなりに使えるかもしれないが。

また、「ピント拡大」中にレンズの手ブレ補正が動かなくなってしまうこともある。

ほかのレンズはどうかわからないが、シグマの2本のマクロレンズの場合、ボディ内の手ブレ補正は動かないらしい(表示は「OFF」でグレーアウトしてしまう)。そして、レンズ側の手ぶれ補正はAFの作動中やシャッターボタン半押し中には作動するが、指を離すとすぐに止まる。

それでいて、半押しすると強制的に全画面表示にもどってしまう。「II」系はこちらの動作が標準だが、「III」系は「ピント拡大中のAF」を「入」にすると半押ししても拡大表示を維持できる仕様になっているのだが、この「ピント拡大中のAF」が「切」でグレーアウトしてしまう。そのため、半押しすると即座に「ピント拡大」が解除されてしまうのである。

結果、拡大中は手ブレ補正なし、ということになってしまう。手ブレ補正内蔵カメラに手ブレ補正内蔵レンズを取り付けているのに、である。

なので、手持ちでピントを正確に合わせたいときは、ぷるぷるする画面を見ながらやらないといけない。105mmはまだしも、150mmは1kgを超えるArt級レンズなので、手ブレ補正なしでの「ピント拡大」はかなりしんどい。

というのも考えると、この2本は三脚に載せてじっくり撮るとき用と割り切ったほうがいいかもしれない。

ズームレンズはMC-11に頼るしかない

現時点では、シグマのEマウントレンズは単焦点のArtレンズだけである。

画角域としては14mmから135mmをカバーしているとは言え、重さが立派なものだからそう何本も持ち歩けない。持ち歩きたくない。

ところが、ズームレンズは今のところ出ていない。なにがしか、大人の事情があるのかもしれないが、ズームレンズが出てきそうな気配はない。現時点で非純正のEマウントズームは、タムロンの28-75mm F2.8 Di III RXD(Model A036)だけしかない。

ので、手もとにあるズームレンズ(14-24mm Artと100-400mm Contemporaryの2本である)はMC-11が必須となるわけだ。

素直にソニーの純正レンズを買えよって話でもあるのだけれどね。

まとめ

フルサイズのαを使っているなら(もちろん、対応するレンズを持っているなら、という条件もつくが)、このMC-11は間違いなく手に入れるべきアクセサリーだと思う。

実際、MC-11があるからαを買ったと言う人も多いらしいし、ワタシ自身もMC-11がなかったらαには手は出していなかったと思う。

してみると、今のソニーのシェアのいくばくかは、このMC-11が支えているのかもしれない。というのもある。

AFの作動についてはばっちりじゃない部分もあるが、そのあたりが問題でないならキヤノンEFレンズを活用するために買うのも悪くない。絞りも動くしExif情報も記録される。

それに、EFレンズなら中古も豊富に出まわっている。低予算で使えるレンズをたくさん買いそろえたい人にもねらってほしいアイテムなのである。

α7 IIにMC-11を介して50mm F1.4 DG HSM Artを取り付けて撮ったのを何枚か載せておく。これはF5まで絞って撮ったカット。えげつないぐらいに画面全体がシャープだ。
α7 II 50mm F1.4 DG HSM Art F5 1/500秒 ISO100

こちらは絞り開放。周辺光量が少し落ちているけれど、これぐらいなら画面効果として楽しめるレベル。日の丸構図上等である。
α7 II 50mm F1.4 DG HSM Art F1.4 1/5000秒 +0.7EV ISO100

これも絞り開放。ピントが合った部分のシャープさがすごいのと、背景から浮き上がってくるような感じがすごく気に入っている。
α7 II 50mm F1.4 DG HSM Art F1.4 1/3200秒 +1.0EV ISO100

少し絞ってF3.5で撮ったカット。背景のボケが自然でよい。木漏れ日の玉ボケもきれいに丸い。
α7 II 50mm F1.4 DG HSM Art F3.5 1/160秒 +0.7EV ISO100

α7R IIIだとF1.4とF2.0のあいだはF1.6とF1.8なのだが、この画像はF1.7。ちょっと謎である。
α7 II 50mm F1.4 DG HSM Art F1.7 1/1000秒 +0.7EV ISO100

絞り開放でもピントが合った部分はびっくりするぐらいにシャープ。さすがはArtレンズである。
α7 II 50mm F1.4 DG HSM Art F1.4 1/1600秒 +0.7EV ISO100

ものの厚みとか奥行きとかがとてもきれいに出るのがすごい。画像を見ているだけでにんまりしてしまう。
α7 II 50mm F1.4 DG HSM Art F1.4 1/1000秒 -0.7EV ISO100

↓↓キヤノンEFマウントのシグマレンズ用のがこちら。

↓↓シグマSAマウントのシグマレンズ用のはこちら。

↓↓重たいけど写りがすごい50mm F1.4 DG HSM Artのキヤノン用。

↓↓MC-11とセット販売もあるらしい。

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