ワタシのワタシによるワタシのためのマウント乗り換えプラン

フルサイズミラーレスのアイキャッチ画像

ソニーが世の春を謳歌しまくっていたフルサイズミラーレスの市場に、尻に火がついていることにようやく気がついたニコンやキヤノンがついに重すぎる腰を上げたのがこの夏のこと。

おかげでワタシの心は乱れに乱れまくっている。

ここしばらくα7 IIを使っていて、機能や性能、操作性などの面でいろいろと不満を感じているからだ。

その不満を解消するには、後継モデルのα7 IIIに買い替えるのが手っ取り早い。それはわかっている。

わかってはいるのだけれども、α7 IIIにしたところで解消しない部分も残ってしまう。っそのうえ、それなりにお値段も張る。

ボディだけの実売価格で比べれば、同じクラスとなるニコンZ6やキヤノンEOS Rもたいした違いはない。

もちろん、交換レンズのこともあるので気軽にひょいひょいっとはいかないが、幸か不幸か、持っているレンズはシグマだらけである。

マウント交換サービスを使えば、有償とは言えまるっとシステムを入れ替えるよりははるかに安く上がる。ハードルが低めになる分、マウント乗り換えプランも練りやすいというわけだ。

などと思っているところにフォトキナである。

なんと、パナソニックとシグマがフルサイズ化を発表したのである

あろうことか、パナソニックやシグマまでもがフルサイズミラーレスをやると言う。それもライカLマウント(バヨネットのほう)を採用して。

パナソニックはすでに形ができあがっていて、2400万画素のS1と4700万画素のS1Rの2機種が発表された。発売時期は来年の早いうちとのことで、ようは春には出ちゃうぞという話である。

シグマもLマウントのフルサイズ機を開発するとアナウンスした。センサーはもちろんFoveonである。Artラインのレンズ群のLマウント化に加えて、ショートフランジバック専用設計のレンズも登場するだろう。

それに、SAマウントとEFマウントのレンズをLマウントのボディに装着できるマウントアダプターも用意すると言う。SAマウント持ちのワタシとしては、マウント交換費用なしで移行できるのはありがたい。

一方、ニコンとキヤノンはマウント仕様を公開しないと言っている。少なくとも表向きは。

となると、AFやAEが純正レンズ並みにさくさく動くマウントアダプターの登場がいつになるかはわからない。

そういうのもからんでくるものだから、とても深々と悩んでいるのである。

おとなしくα7 IIIに買い替えるなら、多少不満は残ることになっても幸せにはなれる。手持ちのレンズもそのまま使えるから安上がりだ。

Z6なりEOS Rにマウント替えすれば、それはそれで幸せになれる。後発なだけに先行するソニーのよくないところはきっちり埋めてきている。が、万全なわけでもない。ので、また違った不満を抱え込むことになるだろう。頭の痛い話である。

あるいは来春まで待ってS1という手もある。それまで気持ちが耐えられるかどうかが心配だが、伝わってくる情報や外観の画像を見るかぎり、期待を裏切られる心配はあまりないように思う。

それにシグマもある。どういうのが出るかはまったく見えないけれど、フルサイズのFoveonというだけでよだれものだ。今のsd Quattroのボディをショートフランジバック化しただけであったとしても、手に入れる価値はばっちりだ。

という状況なわけで、ぶっちゃけ、どうしたらいいんだか、自分でもよくわからない。

なので、とりあえずは見えている範囲のあれやこれやをワタシなりに整理してみて、そのうえでこの先どう動くべきかを考えてみよう。そう思った次第である。

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AFと連写のパフォーマンスならα7 IIIが最強

AFと連写については先行するソニーのアドバンテージはだいぶ大きい。

この3機種ではα7 IIIのAFはダントツだと思う。瞳AFがコンティニュアスAFでも利用できることもある。今回のフォトキナでは動物の目にも追従できるようにするとアナウンスがあった。人は撮らないが猫は撮るワタシにとっては見逃せない点だ。

Z6は連写は最高12コマ/秒だが、14bitロスレス圧縮RAWだと9コマ/秒に落ちる。JPEG(Lサイズ、ファイン画質)で44枚しか連写できないのはあまりニコンらしくない。スポーツ系の人にはおもしろくないスペックだろう。

で、EOS Rはさらにもうひとつ感がある。ピント固定で8コマ/秒なのがAF追従だと5コマ/秒。EOS Kiss Mでさえ「7.4コマ/秒の高速・高精度なAF追従」とうたっているのに、EOS Rでは「AF動作がワンショットAF時」の注釈付きの「8.0コマ/秒の連続撮影」という表現になっている。

ようは、メカの速さにAFが追いついていけてないのである。もしかしたら、キヤノンはデュアルピクセルCMOS AFのスピードアップに手こずっているのではないか。そんな気さえする。

それに、ジョイスティックがないのも思い切り不満だ。タッチパッドAFがあるじゃないかと言う人もいるだろうが、あれは利き目が右な人のための機能である。

左目でファインダーをのぞいてみればわかると思うが、鼻の頭で誤操作は起きるし、自分の顔が邪魔になってモニターに触れるのが難しくなる。左目利きのワタシにとってはいいところがない。だからこそジョイスティックが欲しかったのだが、それがない。困るんである。

α7 IIIだけがしょぼいスペックのファインダー

Z6やEOS Rが369万ドットのEVFを搭載しているのに対してα7 IIIは236万ドット。

上位のα7R III(こちらは369万ドットなのだ)との差別化と低コスト化のからみもあるのだろうが、横並びで見ると、ひとりだけへこんでいるのがさびしい。

倍率はEOS Rが0.76倍、α7 IIIが0.78倍、Z6が0.8倍。理屈としては数字が高いほうがいいが、のぞきやすさの問題もあるので単純ではない。

むしろ、表示される映像の明るさや色味が仕上がりに対して忠実かどうか、フレームレート、タイムラグなどのスペックにはあらわれない部分のほうが重要度は高い。

モニターはEOS Rだけがバリアングル式、α7 IIIとZ6はチルト式。解像度はEOS RとZ6は210万ドットでα7 IIIだけが92万ドット。

それに、ソニー機のモニターは総じて暗いので、明るい野外ではいちいち「屋外晴天」に切り替えないといけない。なんだってこんな辛気くさい仕様にしたんだか。

スペックが謎なS1はファインダー接眼部の巨大さから考えるとかなりよさげではある。解像度もきっと高いのだろうと思う。モニターは3軸チルト式で、どうやらフジフイルムX-T2などと同じ動き方をするらしい。

ローアングル撮影時にバリアングル式は光軸がズレるのがよくないと言う人がいるらしいが、縦位置で役に立たないチルト式などとっとと滅びてしまえばいいワタシ的には縦位置に対応できないチルト式のほうがよっぽどよくない。

S1の3軸チルト式も悪くはないが、ブツ撮りで被写体の位置調整とかをひとりでやるときのことを思えば画面が前方に向けられるバリアングル式のほうが使い勝手は断然いい。

三脚に載せての俯瞰撮影でも、チルト式だと雲台が邪魔になったりするのに対して、バリアングル式なら全画面が問題なく見られる。

E-M1 Mark IIのようなバリアングル式のカメラに慣れると、チルト式の中途半端な便利さはかえって腹が立つだけだ。

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グリップの握りやすさはα7 III以外がよさそう

α7シリーズのグリップも代を重ねるごとに改良はされてきているものの、カメラの高さを抑えていることもあって、どうしても小指があまり気味になってしまう。

その弱点は後発の各社ともにばっちり把握していて、いずれも縦が長くて深く握れるグリップを備えている。

メインがシグマArtなワタシにとってはグリップの良し悪しは重要なので、サイズが十分かどうかだけでなく握り心地も気にしたいところだ。

操作系で気になるのは、EOS Rに新設されたマルチファンクションバーとコントロールリングの使い勝手だ。

ほどのよいセッティングが見つかれば便利だろうが、自分の使い方にうまくはまってくれるかどうかはちょっとまだわからない。

なんだかんだ言って、操作系についてはカスタマイズもふくめてあれこれいじり倒してみないことにはなんとも言えない部分がある。

ただひとつ、確実なのは電源スイッチが左手側にあるのは控えめに言ってクソである。

拡大表示中の画面安定のために手ブレ補正は欠かせない

手ブレ補正はα7 IIIとZ6はボディ内蔵。どちらも5軸補正でシャッタースピード5.0段分の効果を持つ。一方、EOS Rはレンズ内補正のみ。

シグマArtレンズがメインのワタシとしては、ボディ内手ブレ補正はかなり重要度の高い機能だ。

と言うのは、ピクセル等倍で文句なしのガチピンをゲットするには、拡大表示の併用が欠かせない。明るいArtレンズを開けて撮りたいならなおさらだ。

絞って撮るにしても夕景夜景になるとAFはあやしくなる。確実なのは拡大表示でAFを作動させるなりMFで合わせるなりすることだ。

が、ここで手ブレ補正がないと、拡大した画面が揺れてしまうのである。

α7 IIに135mm F1.8 DG HSM Artを付けて手ブレ補正のオンオフを見比べると、拡大倍率が5.9倍なら手ブレ補正なしでもどうにかなりそうな感じなのだが、11.7倍にするとワタシの腕力では揺れが止められなくなる。

手ブレによるぷるぷるに、ローリング歪みによるぷにぷにも加わることになるので、画面はだいぶ気持ち悪いことになる。乗り物酔いをしやすい人はまねをしないように。

というのも考えると、ボディ内手ブレ補正がないのもよくないよなぁ、と思ってしまう。

ライブビュー中の絞りの状態と電子先幕シャッターの問題

ライブビュー中の絞りの状態がどうなのかもちょっと気になっている。

α7 IIは実絞りライブビューで、AFも絞ったまま作動する。うろ覚えだが、α7 IIIは実絞りライブビューで、コンティニュアスAF時は実絞り、シングルAF作動時は絞りをいったん開放にしてピントを合わせてから絞りなおすという動作だったように思う。

実絞りライブビューのメリットは、常時被写界深度を確認しながら撮れること。それとフォーカスシフト(絞り値によってピントが合う位置がずれる現象)のあるレンズでも正確なピント合わせができることだ。

反面、絞り込んでのMF時(ブツ撮りではありがちなパターンである)にピントの山がつかみづらくなったり、夜景などの暗いシーンで画面のザラツキが目立ったり、AF精度が落ちたりするといったデメリットがある。

ほかはどうかと言うと、耳にした範囲では、Z6はF5.6までは実絞り、それより絞ったときはF5.6固定でのライブビュー。EOS Rは絞り開放でのライブビューらしい(そのくせプレビューボタンを省略しているのがまた謎である)。

どのスタイルがいちばんなのかは好みにもよる気はするが、けっこう大事な問題のようにも思っている。

もうひとつ気になっているは、電子先幕シャッターの運用だ。

α7 IIもそうだが、ソニー機は電子先幕シャッターをレリーズタイムラグの短縮のために活用しているから、基本的にはオンで使いたい。

ところが、電子先幕シャッターだと高速側でボケ像が欠けるという問題が起きる。わりとこれは辛気くさい話で、これもソニーから離れたい理由のひとつになっている。

で、他社はどうしているかと言うと、基本的には電子先幕シャッターは微ブレ対策、作動音低減目的だ。

Z6は電子先幕シャッター使用時は最高速が1/2000秒に制限される。これぐらいだとボケ像の欠けはあまり目立たないだろうし、絞ったら負け、みたいな特殊な人でなければそんなには困らないはずだ(やや強引な割り切りになってしまうけど)。

なお、パナソニック機もニコンと同じく最高速が1/2000秒になるので、S1もたぶん同様になるのではないかと思う。

よくわからないのがEOS R。初期設定が電子先幕シャッターだというのは判明しているが、上限があるのかどうか、オリンパスのような自動切り替え仕様なのかどうかもふくめて不明だ。

バッテリーの持ちは大容量タイプのα7 IIIがベスト

α7 IIIはそれまでのNP-FW50の約2倍の容量を持つNP-FZ100を採用。撮影可能枚数はファインダー撮影時で610枚、モニター撮影時は710枚に増えている。

Z6はUSB充電に対応したEN-EL15bを使用する。ファインダー撮影時で310枚、モニター撮影時は380枚撮れる。

EOS RはLP-E6Nを使用。キヤノンUSAのウェブサイトにあったスペック表によれば、ファインダー撮影時が350枚、モニター撮影時で370枚となっている。

もうひとつ、チェックしておきたいのはバッテリーの価格だ。

ヨドバシ.comの税込み実売価格を見ると、α7 IIIのは8,080円。ファインダー撮影で画像1,000枚を撮れるだけのバッテリー代を計算すると約13,200円になる。

Z6のは4,860円とお買い得なので、1,000枚あたり約15,700円。α7 IIIよりは割高だが、そんなに悪くはない。

一方、EOS Rのは8,780円もするものだから、1,000枚あたりのコストは約25,100円にもなる。

現実にはバッテリーは1本単位でしか買えないので、α7 IIIは1本追加で8,080円(1,220枚分)、Z6は2本追加で9,720円(930枚分)、EOS Rも2本追加で17,560円(1,050枚分)といったところだろう。

3機種の中ではZ6だけがちょっとお高い

せこい話ついでに予算の話もしておこう。

必要なものは、

  • ボディ
  • マウントアダプター
  • 予備バッテリー
  • 記録メディア

の4点。ただし、個別の事情というのもあるので、機種ごとに項目数も変わる。

α7 IIIは純正レンズのラインナップが充実してきているし、ワタシ的にはシグマのMC-11があるのでばっちりである。

ただし、予備のバッテリーとチャージャーが必要になる。

なにしろ、付属のアダプターでのUSB充電だとゼロ→フルで285分かかる。フルサイズミラーレスの新基準とやらが4時間45分だ。素晴らしい。

別売のチャージャー(α7R IIIやα9には付属しているのだ)は実売で9,000円もするものの、充電時間は150分。5時間弱を2時間半に短縮できるのだから、払う値打ちは十分にあると思う。

そんなこんなでα7 IIIプランの場合は、

α7 IIIボディ248,270円
MC-110円(所有あり)
NP-FZ1008,080円
BC-QZ1(別売なので要購入)9,000円
SDカード0円(所有あり)
合計265,350円

となる。キャッシュバックやらないかなぁ。

一方、以前使っていたカメラの名残で、手もとにLP-E6NとEN-EL15a(確認したところ、aなしのEN-EL15だった。使えるけど)が1個ずつある。なので、EOS RとZ6を選ぶならとりあえずはしのげる。

Z6にはマウントアダプター付きのキットがあって、バラで買うより13,500円お得になる。が、もとがお高い(単品で買うと35,100円もする)。それにXQDカードも持っていないので、その分も考えなくちゃいけない。

ヨドバシ.comで見るかぎり、最安の32GBを2枚とカードリーダーで我慢するとして2万円強の出費となる。

Z6プランの場合の予算は、

Z6 FTZキット294,300円
EN-EL150円(所有あり)
XQDカード QD-G32E(持っていないので要購入)9,540円×2
カードリーダー QDA-SB1 J(持っていないので要購入)2,440円
合計315,820円

決め手になるほどの価格差ではないかもしれないが、それなりに頭は痛くなる。

お次。EOS R用のマウントアダプターは4タイプあるが、筒だけのヤツならだいぶ安い。それに10,000円のキャッシュバックがあるのでほとんどオマケである。

EOS Rプランの場合は、

EOS Rボディ256,500円
EF-EOS-R13,770円
キャッシュバック-10,000円
LP-E6N0円(所有あり)
SDカード0円(所有あり)
合計260,270円

3機種の中ではもっとも安上がりになる。

シビアに言えば、シグマのマウント交換サービスの料金も計上しないといけないが、ここではあえてシカトする。面倒くさいからね。

なお、価格は2018年9月30日・ヨドバシ.comのものである。

まとめ

ぐじゃぐじゃといろいろ考えてみたけれど、どれも一長一短で決め手には欠ける。

もしかするとS1がいちばん理想に近いかもしれないが、まだスペックも実売価格もわからない。たぶん、細かいところがはっきりするのはCP+になるだろう。

シグマにいたっては今のところ「開発を始動」という告知だけの状態だ。フルサイズのFoveonがどれだけのエンジンパワーを必要とするのかを考えるとなかなかに怖いものもあるが、出てくる画のすごさも予想できるだけに待ち遠しい。

などと考えるほどに、どうしたらいいのかわからなくなる。ほんと、悩ましいのである。

2 Comments

a

バリアングルってそんなにいいものなんでしょうか 使っていたこともありましたが、シンプルなチルト式の方が丈夫でいいやと思ってしまうことが多くて… チルトに対してけっこう過激なので気になってしまいました

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北村智史

カメラは横でも縦でも使う機械なのですから、横位置にしか対応できないチルト式自体が中途半端な存在だと考えています。でも、おっしゃるとおり、「滅びてしまえ」という表現はやはり過激だと思いますので、表現を和らげる方向で修正を考えます。ご指摘ありがとうございます。

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