軽さという幸せをくれたシグマ45mm DG DNが写りもおいしい1本だった件

45mm F2.8 DG DN Contemporaryの記事のアイキャッチ画像

しばらくぶりの箱である。

例によって運んできたのはクロネコさんである。いつもと違ったのは、箱の重さである。いつもよりかなり軽い箱だったのである。

中身はもちろん、シグマの45mm F2.8 DG DN Contemporaryである。

小さくて軽くて開放F値もお値段も抑えたフルサイズ対応のショートフランジバック設計の単焦点レンズである。

今回はこのレンズについてぶつぶつやっていきたい。例によってお暇な方だけおつきあいいただければと思う。

SIGMA 45mm F2.8 DG DN Contemporary
2019年7月26日発売。価格=税別75,000円(フード付き)。 【specs】レンズ構成:7群8枚 絞り羽根枚数:7枚(円形絞り) 最小絞り値:F22 最短撮影距離:0.24m 最大撮影倍率:1:4(0.25倍) フィルター径:55mm 大きさ・重さ:最大径64.0×長さ46.2mm・215g(Lマウント用の数値)

シグマ公式サイト SIGMA 45mm F2.8 DG DN Contemporaryのページはこちら。

ショートフランジバック専用設計の小型軽量単焦点レンズ

付属のフードは金属製でかっこいいのだけれど、付けるとフォーカスリングの操作が少ししづらくなるとかは惜しいところ。

発表されたのは7月の11日。大口径の35mm F1.2 DG DN Artと14-24mm F2.8 DG DN Artと同時である。

が、そのあとの「One More Thing」で姿を見せたLマウントのフルサイズ機でシグマ初のベイヤーセンサー搭載モデルとなる「fp」のインパクトが強すぎたせいで新レンズ3本のことがすっぽり抜けちゃった人も続出したらしい。

という話は置いておいて。このfpの小型軽量ボディにぴったりなのが45mm DG DNだ。

シグマの公式サイトでもfpと45mm DG DNの組み合わせ例が多くを占めていたこともあって、Eマウントの印象がこれまた非常に薄い。ので、こちらではソニーα7R IIIとの組み合わせをごらんいただこう。

さて、前玉より後玉のほうが大きいのが特徴的で、ショートフランジバック化して空いた隙間にレンズを突っ込んだらこうなりました的レンズ構成だ。

似たようなのは最近だとキヤノンのRF 35mm F1.8 マクロ IS STM(キヤノン的にはショートバックフォーカスだが)がそうだし、ソニーのSonnar T*FE 35mm F2.8 ZAも極端ではないがやはり後玉のほうが径が大きい。

標準系の口径を欲張っていない単焦点レンズはこういうのが増えるんじゃないかと個人的には思っている。

今名前が出たSonnar T*FE 35mm F2.8 ZAが公称120gで純正FEレンズでは最軽量。2番目に軽いのはFE 28mm F2の200g。45mm DG DNはたぶん国内メーカー製のFEマウントでは3番目に軽い215gである。

Eマウントの実測値はレンズ単体が213g。金属製の専用フードが44g、前後キャップが各10gで、合計277gとなる。

ぶっちゃけ、ワタシが持っているFEレンズではいちばん軽い。かわいいレンズなんである。もちろん、お値段も素晴らしい。

シグマの多くのレンズは素晴らしい=お高いだが、このレンズにかぎっては素晴らしくお手ごろである。

価格は税別で75,000円。純正のFE 50mm F1.8(38,000円)、FE 28mm F2(65,000円)、FE 50mm F2.8 マクロ(68,000円)、FE 85mm F1.8(74,000円)に次いで国内メーカー製では5番目に安いFEマウントレンズである。

大手量販店だと税込み64,800円ぐらいで手に入る。撒き餌と呼べるほどには安くないが、最近のフルサイズ対応レンズとしてはお手ごろなのではないかと思う。

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ちょっと気になるところはあるけど、Artとは別世界の軽さが幸せ!

絞りリングも金属製。クリック感が気持ちいい。ワタシはボディ側設定派なのでA位置固定で使うけど。

操作性については少し気になるところがある。

まず、ほかのレンズに比べてカメラへの着脱がやや硬いように思える。個体差の問題かもしれないし、異音やこすれ感があるわけでもないのでまあ気にしないことにする。

付属のフードがかっこいいのもいいが、前縁までギザギザがある。たぶん、冬場の乾燥している時期に手の甲とかをこすると痛いんじゃないかという気がする。ギザギザの溝の部分にゴミが溜まりやすいのも気になった。カメラバッグ内がほこりっぽい方は注意してほしい。

さらにフードを付けたときのフォーカスリングの操作性ももうひとつである。小振りなうえに絞りリングも備えていることもあって、フォーカスリング(金属製である)の幅が狭くて、かつ前玉寄りにレイアウトされている。

そこにフードを付けるとフォーカスリングに指がかけにくくなる。まったくだめなわけではないが、指の腹にかかるのがフォーカスリングの端だったりするのはちょっとうれしくない。ローレット部分をもう少し幅広にするかマウント寄りにしてもらえると気持ちよくフィットしそうな気がする。

フードの内側はこんな感じ。ウワサによるとフィルターの枠の厚みとかによっては干渉するらしい。

そのフォーカスリングは軽く、なめらかに操作できる。APS-Cサイズ以下用のDC DN Contemporaryシリーズのと比べると、わずかにねっとり感があってなかなかに気持ちがいい。

絞りリングも回し心地がよくてほどよいクリック感が楽しめる。が、ワタシ的にはボディ側のダイヤル操作に慣れきっていることもあってA位置固定で使うことになると思う(気が変わる可能性はないではない)。

とりあえず今のところ、撮影中にA位置からずれることはなかったが、着脱時にずれることがあったので、レンズ交換の際には注意したほうがいいかもしれない。本音を言えば、ロック機構があってよかったと思うが、ソニー純正の絞りリング付きのもロックなしだから、まあ仕方のないところ。頻繁にずれるようならパーマセルテープで固定することになるだろう。

にしても、200gちょいというのは着けていることを忘れそうなぐらいの軽さ。なにせ持っている近い焦点距離のが50mm F1.4 DG HSM ArtのSAマウント(MC-11と合わせて940g)やら40mm F1.4 DG HSM ArtのEマウント(1,270g)なので、その1/4、1/6の軽さなのである。

やっぱ、軽さって幸せだよなぁってしみじみしてしまうわけ。明るくて開放からキレまくるレンズで得られる幸せとは方向性とかがまったく違う幸せで、これはこれでうれしい。

正直、ほかの焦点距離もください。よろしくお願いします。って感じである。

開けるとふわとろ、絞るとかっちりな描写を1本で

Contemporaryラインのレンズなのでカメラ内補正が前提になっている。というのもあって、公式サイトの性能データページにはMTFチャートしか載っていない。

データを見た印象では、絞り開放でも画面中央部の広い範囲はまずまず、四隅はちょっと、という感じ。実線のS(サジタル=放射方向)のラインと破線のM(メリディオナル=同心円方向)のラインがあまり離れていなくて、このタイプはボケもきれいな傾向がある。というのをなにかで読んだ気がする。

で、実写ではどうかと言うと、遠景の画面中央部は絞り開放でも思いのほかしっかり解像している。四隅はアマさがあるものの、これはMTFから予想できた範囲。たぶん絞ればよくなるだろうなぁと思っていたが、F8まで絞るとがっちりキレる。

歪曲収差は補正なしだとはっきりわかるイトマキ型。曲がり方は素直なタイプなので補正はしやすい。α7R IIIの場合は「レンズ補正」の「歪曲収差補正」を「オート」にするとカメラ内補正がはたらいて、すっきりまっすぐになってくれる。

曲がり具合はそれほど大きくないし変なクセもないので、直線成分がないシーンなら補正なしでもいけるんじゃないかと思う。あと、補正による解像感の低下はそんなに大きくない。ので、補正ありのまま使ってもいいんじゃないかと思う。

周辺光量落ちはそれほど大きくないが、絞っても回復が遅いタイプ。F8でも隅が少し落ちているので、気になるシーンではF11まで絞りたい。これもカメラ内補正をオンにすれば、絞り開放から気にならなくなる。

絞り開放での周辺光量落ちはこれぐらい。歪曲収差はカメラ内補正。

こちらは周辺光量をカメラ内で補正している状態。同じく絞り開放。

上と同じ画像の周辺光量と歪曲収差補正あり、絞り開放の画像の真ん中から少し左寄りのあたりのピクセル等倍切り出し。遠景だとそこそこ見られる。

絞っていくと解像力が上がっていって、このF8あたりがピークな感じ。

画面左下隅。こちらは絞り開放。

同じく左下隅で絞りはF8。いずれも周辺光量補正と歪曲収差補正ありで撮っている。

ワタシ的には歪曲収差はないのが好きで、周辺光量は味だと考えるタチだから、「歪曲収差補正」だけ「オート」で使おうと思っている。

Contemporaryならではなのは、近接でアマさが出るところ。Artラインは無限遠から至近までばっちりというのが基本だが、Contemporaryラインはそのへんが少しゆるめ。と書くと語弊があるが、Artにはない味わいが楽しめる、と考えればメリットになる。

撮影距離が1mぐらいの絞り開放でほんのりとフレアがのってくる。特に後ボケ側のふわっとした描写がいい感じで、これがArtにはない個性になっている。

公式サイトの特長ページに「開放時にはクラシカルともいえる柔らかなボケ味を楽しめる」とあるとおりのうれしいおいしい写りなのである。

それが絞っていくとふわとろ感が弱くなって、F5.6でちょっと平板なぐらいのわりと普通な描写になって、F8まで絞るときりっとかりっと立体感のある画に仕上がってくれる。

このへんの絞りによる描写の違いがけっこうドラマチックで、1/3段刻みで絞りを変えて撮ったのを見比べているだけで口もとがゆるんでしまうという、ヤバい仕上がりのレンズなのである。

ただ、こういう特性のレンズだけにガチピンがほしいときには注意が必要だ。APS-Cサイズ以下用の30mm F1.4 DC DN Contemporaryも似たようなクセがあるが、絞り開放のアマさが「ピント拡大」すると全画面ほわほわ状態になる。ピントなんかもうわからない。

ねらいどおりにピンポイントで合わせたいときはF8に絞ってから拡大してMFするほうが安心だと思う。

ほぼ最短撮影距離(0.24m)で撮ったカット。絞り開放だと見事にほわほわで楽しい。

絞り開放の画面中央部をピクセル等倍で切り出したもの。MFでのピント合わせはあきらめないといけないレベルだ。

F4。1段絞るとほわほわ度はだいぶ下がるがまだアマい描写。

F5.6。ピントという言葉を使ってもよさそうなのはこのへんからだろうと思う。

F8。ぐっとシャープになって立体感も出てくる。SGV以降のシグマならではという写り。

F11。F8よりも被写界深度が広くなるせいか、ディテールもよく出る印象だ。

絞り開放なのでボケボケだけど、歪曲収差が見やすいので。こちらはカメラ内補正あり。

同時記録のRAWをLightroomの「カメラ標準」プロファイルで出力したもの。素のままだとイトマキ型の歪曲があるけど、量的にはそれほど大きくない。

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fpを待つのもありだけど、両方いっちゃうのもあり

さて、この45mm DG DN、画角としては標準域だし近い焦点距離のレンズは純正にも何本かある。持っている人は多いだろう。

F2.8の明るさも微妙なところ。純正だとF1.4もあるしF1.8もある。ボケの大きさを重視するならそちらを選ぶのが利口に思う。

ただ、この写りの楽しさをスルーするのはもったいない。寄り気味で絞りを開けたときのオールドレンズっぽいふわっと感と、絞り気味にしたときの最新レンズらしいキレのよさ、そのあいだの描写も全部味わえるのだからこれはおいしい。

見た目もワタシ個人は気に入っている。フードを付けたときのフォーカスリングの操作性など、気になるところもあるものの、デザインとしては好きな部類に入る。α7R IIIにもよく似合っていると思う。

ただ、もうちょっとするとfpが出てくるだろうし、そっちはどうするんだよってのもあるのだけれど、そっちはそっちでごにょごにょするしかない。毒を食らわば路線まっしぐらである。

楽しいからいいけど。

夕方に散歩していて見つけた肉屋さん。すごくいい感じ。 α7R III 45mm F2.8 DG DN Contemporary F2.8 1/2000秒 -1.3EV補正 ISO100 AWB

MFで最短撮影距離に合わせて撮ったカット。ほわっとした描写になるだけにピント合わせはむずかしいが、ひたすらキレるArtとは違う楽しさがある。 α7R III 45mm F2.8 DG DN Contemporary F2.8 1/500秒 -1.3EV補正 ISO100 太陽光

標準域の焦点距離でF2.8だからそれほど大きなボケにはならないが、自然でうるさいところがなくて気持ちいい。 α7R III 45mm F2.8 DG DN Contemporary F2.8 1/400秒 +0.3EV補正 ISO100 太陽光

公園に設置されている日時計に付けられているオブジェに寄ってみた。Artだと質感がすごく出るんだろうけど、かちっとなりすぎないこの写りもいい。 α7R III 45mm F2.8 DG DN Contemporary F2.8 1/2500秒 -0.3EV補正 ISO100 太陽光

ピントが合った位置の向こう側の徐々にボケていく移り変わり方がきれい。 α7R III 45mm F2.8 DG DN Contemporary F2.8 1/320秒 +0.7EV補正 ISO100 太陽光

開放からF5.6ぐらいまでの範囲では絞りによって解像力や質感表現がごろごろ変わる。そのへんを探るのも楽しい。意味あり気に1/3段絞ったのを載せるけど、特に意味はない。 α7R III 45mm F2.8 DG DN Contemporary F3.2 1/1000秒 +1.0EV補正 ISO100 太陽光

これでもか、と言わんばかりにキレるArtのシャープさとは違うやさしめの写り。なんでもかんでも開けて撮るのがいいとは思わないけど。 α7R III 45mm F2.8 DG DN Contemporary F2.8 1/800秒 -0.3EV補正 ISO100 太陽光

ほとんど絞り開放の画ばかりになってしまって自分のことながら間抜けっぽいが、こういう周辺光量の落ち方は好き。いいと思う。 α7R III 45mm F2.8 DG DN Contemporary F2.8 1/2500秒 -0.3EV補正 ISO100 太陽光

↑↑↑シグマfpにばっちり似合うライカLマウント用。今から欲しい。

↑↑↑こちらはソニーEマウント用。

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