さて、H&YのREVORINGとMagneticフィルターの組み合わせがとっても便利なのだけれども、シグマ16-28mm F2.8 DG DN Contemporaryの広角側でケラレが発生する。というところまでは前に書いたので今回はそのつづき。
といっても、かなぁり間があいてしまったので、まずはこちらの記事からお読みいただければ幸いである。
とりあえず、シグマ16-28mmとの組み合わせで起きるケラレを回避できる方法がちゃんと用意されていたので、そちらを紹介しようと思う。
目次
ステップアップのアダプターリングでケラレは解消
必要なのは「H&Y Magneticアダプターリング72-77mm」というアイテム。72mm径のレンズに77mm径のMagneticフィルターを着けられるようにするアタッチメントで、H&Yの公式サイトでは税込み2,680円で買える。
REVORINGと16-28mm F2.8の組み合わせでケラレが起きるのは、単純にREVORING自体の厚みが大きいからだ。
広角系のレンズに厚みのあるアタッチメントを着ければ、ケラレが起きるのはまあ当然だろう。
その点、Magneticアダプターリング72-77mmは普通のステップアップリングと同じぐらいの厚さ、というか薄さしかない。
なので、REVORINGに比べるとこれだけ厚みが違う。
画面右がREVORINGとアダプターリングを、左がMagneticアダプターリング72-77mmを装着した状態。見て分かるとおり、厚みが全然違う。この違いの分だけケラレが出にくくなるというわけだ。
で、試してみたところ、16-28mm F2.8 DG DN Contemporaryの広角端でもフィルター2枚までならケラレは発生しなかった。
↑REVORINGを使うとフィルター1枚でもこれだけケラレる。
↑Magneticアダプターリング72-77mmとフィルター2枚を重ねた状態。これでもケラレは出ていない。
正直、フィルター1枚がせいぜいかな、と思っていただけに、この結果はうれしい。
2枚重ねでいけるなら、たとえばCPL(円偏光)とND1000(約10段減光)の組み合わせが使える。天気のいい日中にISO100の絞りF18で30秒露光がやれる。実際のところは風次第だが、雲を流して撮れたりする。
CPLの代わりにND64(6段減光)を使えば、さらにシャッタースピードを遅くしたり、あるいは絞りを開けられたりするのだから、けっこう楽しめるんではないかと思う。
フードの内側にアダプターリングがまあるくおさまっちゃったのだ
ケラレが解消できたのはいいとして、問題はMagneticアダプターリング72-77mmがネジ込み式で、かつレンズの前枠よりも径が大きいというところ。
そのためフィルターを使おうとすると、フードをはずしてアダプターリングをネジネジしてフィルターを着けることになる。もちろん、外すときにも同じ手間が必要だ。
ネジネジするのが嫌でREVORINGやMagneticフィルターを買ったのに、それを使うのにまたネジネジしなきゃならないのはおもしろくない。面倒くさいにもほどがあるだろう。
手間を減らしたいならアダプターリングを着けっぱなしにすればいいが、そうするとフードは着脱できなくなる。つまり外しっぱなしにしないといけない。
しかし、ワタシ的にはフードはレンズの一部であって、着けて撮るのが大原則。必要があって外すのは許容できても、そうじゃないときにまで外しっぱなしというのは受け入れがたい。
面倒くさいのは嫌だし、かといってポリシーを捨てるのもおもしろくない。で、あれこれ考えた揚げ句にこうなった。
↑フードを着けた上からMagneticアダプターリング72-77mmをネジ込んでみた。なんか…おさまっちゃったねぇ、って感じ。
ごらんのとおりである。なんとなくまぁるくおさまってしまったんである。
当然ながら、この状態ではフードを外すことはできない。が、ワタシ的には着けっぱなしで文句はないし、ネジネジ抜きでフードとMagneticフィルターの両方が使えるのなら都合はいい。
リングの取り付けとフィルターの着脱には難あり!
アダプターリングはうまくおさまってくれたものの、全部すっきりというわけではない。
フードの内側に空間的な余裕があまりないからだ。つまり、狭くていろいろやりづらいんである。
↑フードの中はフィルターでいっぱいいっぱいなので、指が入んないんである。
フィルターの取り付けはあてがうだけでくっついてくれるからいいが、取り外すときには枠の縁のところに爪をかけてはがすようにしないといけないのに、その爪を入れられるだけの隙間がない。
着脱だけのNDでも大変なところに、回す操作が必要なCPLはさらに厄介だ。
MagneticのCPLにはネジ込み式フィルターのような回転枠がない。磁力でくっつけるだけなこともあって、そのまま強引に回す仕様だからだ。薄型かつ低コストにできる反面、金属の枠同士がこすれ合うものだから、お世辞にもスムーズに動かせるとは言いがたい。
それを狭いフードの中でやることになるのだから、ぶっちゃけ、思いどおりになんか回せないんである。
レンズキャップもまた問題で、普通のスナップ式のは爪がうまくかからないようで、しっかりと取り付けられない。といって、MagneticフィルターProfessional setに同梱のMagneticレンズキャップはツルペタ形状なものだからやはり外しにくい。
↑Magneticキャップは薄型でつまむところがない。ので、ちょっとばかり着脱がむずかしい。
それ以前に、まずアダプターリングをネジ込むのが簡単じゃない。傷つけないようにと厚手の布をかぶせたうえからラジオペンチで挟んでやったのだが、それでもリングに傷がついてしまった。下手をすれば前玉を傷つけるおそれさえある。
というのもあるので念のために書いておくが、この記事に書いてあることを真に受けてなにかをやって、それでどんなトラブルが発生したとしてもワタシはいっさいの責を負わない。ようは、全部自己責任である。そのへんはきっちりご承知おきいただきたい。
フードの問題は残るがフィルターが使えるのはうれしい
とりあえず、16-28mmにMagneticフィルターが着けられるようになったのはよかった。しかも2枚重ねでケラレなしという上々の結果である。
ただ、フードとの併用についてはちょっとじゃなく悩ましい。フードを着けたうえからアダプターリングとフィルターを着けることはできるが、着脱は思いきりやりづらいし、CPLの回転操作にいたっては絶望的と言わざるをえない。
となると、あきらめてフードなしでの運用に切り替えるか、あるいはフードの一部に切り欠きをつくって指を入れやすくするかだろう。ポリシーを曲げるのはおもしろくないが、工作はかなり苦手だからちょっとなぁ…。悩ましいぞ。