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例によってクロネコさんがとどけてくれた箱の話である。
24-70mm F2.8 DG DN Artがfpには大きすぎ重すぎでバランスがよろしくないよと書いたのが伝わったのか、箱の中身は小さくて軽いレンズだった。
16mm F1.4 DC DN Contemporaryと30mm F1.4 DC DN Contemporary、そして56mm F1.4 DC DN Contemporaryの3本である。
Lマウント版のは発売されたばかりだが、Eマウントの56mmとマイクロフォーサーズ版のは3本まとめて記事にしている。なので、Lマウント版まで、という気もしなくはないが、あまり深く考えないことにする。
さて、DC DN Contemporaryというのはつまり世間で言うところのAPS-Cサイズ以下用なのだが、LマウントでAPS-Cサイズのカメラは現状でライカしか発売していないし、ワタシごときの手がとどく品ではない。
いや、ひとつ前のTLとかなら無理して手を伸ばせばどうにかならなくはないが、カミサンに気づかれたときのダメージを考えるとどうせ買うならCLでしょ。さらにお高くなっちゃうじゃん、ってなるのでやっぱり手が出せない。
そういうわけなので、手もとにあるfpで遊んでみることにした。例によってお暇なときにでもお読みいただければと思う。
なお、価格は16mmと56mmが税別57,000円、30mmだけ少しお安くて税別48,000円。税込みの実売価格はポイント還元10%のお店ではそれぞれ49,500円と40,150円ぐらい。ポイント還元のないお店の場合はそれより10%お安いのが相場である。
シグマ公式サイト SIGMA 16mm F1.4 DC DN Contemporaryのページはこちら。同じくSIGMA 30mm F1.4 DC DN Contemporaryのページはこちら。同じくSIGMA 56mm F1.4 DC DN Contemporaryのページはこちら。
目次
APS-Cサイズ用のDC DNレンズをフルサイズのfpで使う
さて、DC DN Contemporaryというのは、「DC」がAPS-Cサイズ以下のカメラ用であること、「DN」がショートフランジバック仕様のミラーレスカメラ向けであることをあらわしていて、「Contemporary」は小型軽量さと高画質をほどよくバランスさせたラインであることを意味している。
シリーズに属する16mm、30mm、56mmの3本は、発売当初はソニーEマウントとマイクロフォーサーズマウントの2種類だったのが、昨2019年10月にキヤノンEF-Mマウントが追加され、そして2020年7月にライカLマウントが登場している。
APS-Cサイズ用のレンズはAPS-Cサイズの撮像センサーに合わせて設計してあるので、より画面の大きなフルサイズのカメラに着けるとイメージサークルが足りなくなる。
イメージサークルというのは、おおざっぱには、画が映る範囲のことで、通常の写真用レンズの場合は映る像も円形になるため、像=イメージ、円=サークルと言う。
大判カメラの場合はフォーマットやアオリ量などとのからみが出てくるのでカタログスペックとして記載されるのが普通だが、マウントに縛られる中判以下のカメラでは気にする必要はまるでなかった。
そのへんの話は置いておいて、イメージサークルが足りないとどうなるか、である。単純に、レンズはイメージサークルの外には光をとどけられないので、画面の端のほうに真っ暗になる領域ができる。こういうのを「ケラレ」と言う。
なので、通常はクロップ機能を使う。クロップはおおざっぱにはトリミングと同じような意味合いで、fpではメニューの「DCクロップモード」を「入」にすれば強制的にクロップ(フルサイズタイプレンズを着けてもAPS-Cサイズの範囲で撮影する)、または「オート」にしておけばAPS-Cサイズ用レンズ装着時のみ自動的にAPS-Cサイズの範囲での撮影となる。
そういう普通の使い方でも悪くはないが、2,400万画素のカメラをAPS-Cサイズにクロップして使うと1,000万画素ぐらいになる。まあ、1,000万画素もあればA4サイズにみっちりの高画質でプリントするには十分だし、ほどよい観賞距離を守って見る分にはA3ノビとかでもいける。
が、フルサイズのカメラをAPS-Cサイズで使うというのは、仕事のためと割り切って受け入れるぐらいは許せても、趣味の写真でやるのはあまりうれしくない。気にしない人もいるかもしれないが、ワタシ個人の感覚として楽しくない。そういうことである。
じゃあ、どうしよう。切っちゃえばいいか。
と、考えたわけである。
「DCクロップモード」は「切」にすることもできる。切ればAPS-Cサイズ用レンズでも強引にフルサイズで撮影できる。
もちろん、イメージサークルは足りなくなる。が、ケラレが出るのは周辺部の四隅に近い部分だけだ。その部分をさくっとトリミングしてしまえばいい。
とは言え、比率を守ってトリミングするならクロップ撮影とたいして違わない。
そこで悪い大人は「アスペクト比」というのを使うんである。
クロップせずにアスペクト比を変えて撮るのもおもしろい
考えやすいのは正方形の画面。fpならメニューの「アスペクト比」で「1:1」を選ぶ。3:2比率の画面の1/3を捨てることになるのはもったいなくもあるが、画が映らない周辺部をばっさりカットできるのでこの場合とても都合がいい。
3本のDC DN Contemporaryで試してみたところ、56mmは四隅が少し欠けてしまうものの、開放付近の絞りでは周辺光量落ちにも見えなくはない。ほかの2本はケラレはない。ばっちり使えてしまう。
ちなみに、1:1比率での対角線画角から計算した換算焦点距離は、16mmが20.4mm相当、30mmは38.2mm相当、56mmは71.4mm相当となる。ただし、56mmについてはケラレがないと仮定して計算した結果なので、ケラレ部分をトリミングするともう少し狭くなる。
なお、このときの記録画素数は4,000×4,000ピクセル。1,600万画素となる。
正方形以外では「7:6」だとか「A版(√2:1)」だとかの変わった比率もあるが、カットする部分が大きいほうがいいので、細長いほうの「21:9」を試してみる。一般的な動画フォーマットの「16:9よりも細長いアスペクト機はほかではあまり見ない。かなり貴重である。
こちらは3本ともはっきりとケラレるし、絞り開放でもさすがになぁと思うものの、画面効果だ焼き込みだと言い張ればなんとかなるような気もしなくはない。
言い張っちゃうか。言い張っちゃおう。うん。
一応、こちらも対角線画角から換算焦点距離を出してみると、16mmが17.7mm相当、30mmは33.1mm相当、56mmは61.9mm相当となった。さっきと同様ケラレがないと仮定しての数字なので、そのへんはお含みおきいただきたい。
記録画素数は6,000×2,576ピクセル=約1,545万画素となる。
※以下の画像はクリックすると大きくなりまする(長辺1,200ピクセルにしてあります)。
ケラレは出るけど、気にせずに撮っちゃえばいいのだ
結論から言うと、わりと楽しく遊べる。正方形画面もおもしろいし、細長画面も広がり感がいい。
16mm F1.4 DC DN Contemporary
1:1比率だとケラレはまったくなくて問題なく使える。
絞り開放では周辺光量が落ちるが、F4で気にならないレベルになり、F5.6まで絞るとフラットになる。
四隅の解像力は絞り開放では落ちているはずだが(画像処理で明るくするとアマいのはわかる)、周辺光量落ちが隠してくれている。F4ぐらいまで絞ればまずまずの画質になって、F8ならピクセル等倍で見ても問題ないレベルになってくれる。
21:9比率では端はケラレるものの、シーンを選べばなんとかなりそうな気はする。絞り開放では光量が隅に近づくに連れてなだらかに落ちていくので使い勝手は悪くない気がする。
撮影時はこの比率にしておいて、左右をカットして2:1比率に仕上げるというのもありだと思う。その場合はF4まで絞ればだいたいOK、F5.6でほぼフラットな明るさになってくれる。
画面の左右端の画質はけしていいとは言えないが、左右カットの2:1比率にするならけっこう見られる。四隅もF5.6かF8まで絞れば十分に使える。
30mm F1.4 DC DN Contemporary
16mm同様、1:1比率だとケラレはまったくない。周辺光量はF5.6でもほぼ問題ないが、万全を期するならF8まで絞りたい。
周辺部の解像は絞り開放でも四隅以外は悪くなく、その四隅も絞れば改善する。わずかに倍率色収差が見られるが、画像処理ソフトで補正は可能だろう。
21:9比率ではやはり四隅がケラレる。左右の端の部分の解像がかなり落ちるのでシーンは選ばないといけないかもしれない。
F5.6まで絞って2:1比率にトリミングすれば、隅々までシャープでフラットな画面になるが、倍率色収差とタル型の歪曲(どちらも量は少ない)が気になるかもしれない。
どちらかと言うと、1:1比率のほうが使いやすそうな印象だ。
56mm F1.4 DC DN Contemporary
3本のうち、もっともイメージサークルが小さい。1:1比率でも絞ると四隅がケラレてしまう。が、絞りを開けて使う分にはあまり気にならないかもしれない。絞った状態でケラレなしにするには3,700×3,700ピクセル(=1,369万画素)ぐらいにトリミングすればばっちりだ。
画質的には絞り開放から四隅に近い部分まで良好。歪曲収差や色収差もまったく気にならない。
一方、21:9比率ではケラレが大きく、また、左右の端の部分の画質もだいぶ落ちる。光量も落ちるのでそれほど目立たないし、トイカメラっぽい写りを楽しむのも悪くはないと思う。まあ、もともとが想定外の部分なので、むしろ画があるだけもうけものである。
21:9比率の画面の左右をさらにカットして仕上げるなら2:1比率ではまだケラレが残るので、16:9比率で仕上げたほうがよさそうだ。その場合、4,580×2,576ピクセル(=1,180万画素)となる。
この範囲で使う分には絞り開放でも左右端までは良好な画質になる。四隅はさすがにアマいが、F8まで絞れば問題なく使える。
使い方としては邪道だが、遊び用としてはかなりいける
フルサイズのカメラでAPS-Cサイズ用のレンズを使うのは、気持ちとしては邪道だよなぁと思う部分もあるのだけれど、やってみると案外に楽しい。
今どきのレンズでこうまで周辺部が暗く落ちるレンズなんて意図的に作られたくせ玉でもなければありえないし、こういう写りがAFで気軽に撮れるのもいい。
特に21:9比率はほかにないアスペクト比とあって、なかなかに新鮮でよかった。
個人的にはカラーモードの「シネマ」がトイカメラっぽい渋い色味の仕上がりになってくれてけっこうはまれそうだったのと、すでに定番化した印象さえある「ティールアンドオレンジ」もおもしろかった。
こういうお遊びはもちろんほかのカメラでも可能ではあるのだけれど、fpとDC DN Contemporaryの組み合わせだとカメラもレンズも小さくて軽い。持ち歩くのもらくちんだし、肩も凝らない。
注意としては、付属のフードを着けたままだと16mmと30mmはケラレが大きくなる(56mmは平気そうだった)。ので、フードは外してから遊ぶこと。前玉を汚したりしやすくなるのとフレアやゴーストが出やすくなるかもしれないので気をつけたい。
ただまあ、本来はAPS-Cサイズ用のレンズはAPS-Cサイズのカメラで使うのが筋なわけだし、fpのボディにAPS-Cサイズセンサー(2,400万画素のローパスフィルターレスあたりで)を載せたバージョンを出してもらえると、DC DN Contemporaryのいいところももっと引き出せるんではないかと思う。
それと、やっぱりfpにはfpに似合うサイズのフルサイズ対応レンズが必要だ。こちらのほうもよろしくお願いしたい。
とか思ってたら、85mm F1.4 DG DN Artが登場した。予想していたDG DN Contemporaryではなかったけど、F1.4でこの小ささと軽さはすごい。うらやましい。欲しい。ヤバい。
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