シグマ14-24mm F2.8 DG HSM Artを手に入れるに至った長いいいわけ

sd Quattroに装着した14-24mm F2.8 DG HSM Art

ソニーα7 IIを手に入れたのはいいが、そのあとレンズがなかなかそろえられない。という話はちょくちょく耳にする。ワタシの場合は、広角系が悩みの種だった。

なにしろ、ソニーの純正レンズはどれも安くなくて、FE 16-35mm F2.8 GMなどは、写りはすごいがお値段もすごい。某バシや地図の価格を見るたびに世をはかなみたくなる。もうちょっとなんとか、なぁ、って思ってしまうのだ。

そのうえ、手もとにはシグマのsd Quattroもあって、こちらも広角系が不足している。その両方をどうにかしたい。というか、しないといけない。

で、あれこれ考えた結果、最終的にシグマの14-24mm F2.8 DG HSM Artを選んだ次第で、どうしてこれを選んだのか、というあたりも含めて、今回はぶつぶつやってみたいと思っている。

つまるところ、新しいレンズを手に入れたのを自慢したいだけだったりするので、時間があまったときにでもお読みいただければうれしい。

なお、件のブツと同じ箱の中に、どういうわけか16mm F1.4 DC DN Contemporaryも入っていたりするのだが、もののはずみというやつで、こちらもおいおい記事にするつもりでいるので興味のある方はもうしばらくお待ちいただきたい。

こちらが今回のお題。シグマの14-24mm F2.8 DG HSM Art。フルサイズ対応の大口径超広角ズームである。

SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM Art
税別価格=190,000円(ケース付き) キヤノン、シグマ、ニコン用 【specs】レンズ構成:11群17枚 絞り羽根枚数:9枚(円形絞り) 最小絞り値:F22 最短撮影距離:0.26m 最大撮影倍率:1:5.4(0.186倍) フィルター:none 大きさ・重さ:最大径96.4×長さ135.1mm・1,150g(SAマウント)

理想は2台のカメラに2本のレンズを用意すること

キャップをはずすと顔を出す巨大な前玉。いわゆるデメキン仕様でフィルターは装着できない。

さて、手に入れた14-24mm ArtはもちろんSAマウントだ。これならsd Quattroにはそのままつけられるし、同じくシグマが発売しているMOUNT CONVERTER MC-11を併用することで、α7 IIにも装着できる。

ようは、1本で二度おいしい作戦なわけだが、本来であれば、sd Quattroとα7 IIはフォーマット(撮像センサーの画面サイズ)が違うのだから、それぞれに別のレンズを用意するのが方法論としてはまっとうだ。

なにしろ、この14-24mm Artは、重さが1,150gある。ひかえめに言って重量級。遠慮なしに言えば腹が立つぐらいの重さのレンズだ。

対する純正のFEレンズの広角系は、いちばん重いのがFE 16-35mm F2.8 GMで、焦点距離の範囲が狭いこともあって680g。14-24mm Artに比べて半分とは言わないまでも、だいぶ軽いのは間違いない。開放F4でもかまわないなら、FE 12-24mm F4Gが565g、Vario-Tessar T*FE 16-35mm F4 ZA OSSは518gと、さらに軽くなる。

人生が半世紀を過ぎたおっさんにはこちらのほうがありがたいに決まっている。

一方、sd Quattroの広角系は、8-16mm F4.5-5.6 DC HSMと10-20mm F3.5 EX DC HSMの2本がある。どちらもSGVラインの製品ではないが、小型軽量で写りもいい。8-16mmのほうは、キヤノンのEOS Kiss X7iやEOS 80Dとの組み合わせで愛用していたので、これをSAマウントでも、とも考えていた。

こちらは2本ともAPS-Cサイズ専用設計でそのぶん軽い。8-16mmが555g、10-20mmは520gしかない。

もちろん、α7 IIとsd Quattroのそれぞれに2本のレンズを用意すれば、合計で1kgは超える。が、この2つのシステムをいっしょに持ち出す機会はそれほどない。なので、撮影に出かけるときの荷物が泣ける重さになることはないし、手に持つ機材の重さを小さくできることを考えれば理想的だし、はるかに利口だ。

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でも、お財布事情と将来を考えると1本化がベターなのだ

前玉に採用されているのは直径80mmクラスのガラスモールド非球面レンズ。まじめな話、見ると笑っちゃうでかさなのだ。

問題は、それぞれに別々のレンズを用意するとお金がたくさんいることだ。

いちばん安上がりな組み合わせ(16-35mm ZAと10-20mm)でも、大手量販店のオンラインショップ価格だと税込み20万円近くになってしまう。

もっとも、14-24mm Artにしたところで、税込み16万円ほどするのだから大差はないのだけれど、それでも4万円近くの差は無視できない。それに、ワタシ的には、純正から選ぶのであれば、12-24mm Gか16-35mm GMがいいなぁと思っているので、さらにお値段が上がる。

軽快さは魅力的だが、お財布事情が……、となると、1本で兼用スタイルがぐっと有利になる。

もうひとつ、シグマにはAPS-Cサイズのsd Quattroと、ひとまわり大きなAPS-Hサイズ撮像センサーを搭載したsd Quattro Hの2機種があるが、たぶんだけれど、そのうちにフルサイズのsd Quattro Fが出てくれるんではないか、とひそかに考えているのだ。

sd Quattroに搭載されているFoveon X3センサーの画素ピッチのままフルサイズ化すれば、ざっくり計算でトップ層4670万画素ぐらいになる。ソニーのα7R IIIよりも高精細で、しかもFoveon X3ならではの解像感と質感と色のノリが手に入る、などと考え出したらもう期待しかない。

消費電力とセンサーの発熱とファイルサイズが怖くてたまらないし、正直なところ、シグマのArtレンズ(だいたいにおいて重たいんである)を何本も持ち歩くのは体力的に厳しいお年ごろでもあるのだが、フルサイズのFoveon X3の写りと引き替えなら文句は言わない。言いたくなってもなるべく控える努力はする。

そういうあたりまで考えると1本化は悪くないチョイスだと思う。ソニー純正のFEを買って、ここで予算を使い果たすよりは、Artレンズを買っておいてsd Quattro Fを待つ。というのが、ワタシが選んだ作戦なわけだ。

画角レンジと明るさのかねあいで選ぶと14-24mm Art

MOUNT CONVERTER MC-11を装着したα7 IIに取り付けるとこんな感じ。バランスは、正直言って、よろしくない。まったくよろしくない。

さて、sd Quattroでも広角らしい画角になるArtレンズとなると、ズームは12-24mm F4 DG HSM Artと14-24mm F2.8 DG HSM Artの2本、単焦点だと14mm F1.8 DG HSM Art、20mm F1.4 DG HSM Art、24mm F1.4 DG HSM Artの5本。

フルサイズのα7 IIをベースに考えると、持っているレンズのうちの焦点距離がいちばん短いのは50mm F1.4 DG HSM Artなので、ぶっちゃけ、どれを選んでも問題はない。

が、sd QuattroにはAPS-Cサイズ専用タイプの18-35mm F1.8 DC HSM Artを持っているので、これでカバーできている20mmと24mmはとりあえず選択肢からはずしてよさそうだ。

となると、候補は、12-24mm Artか14-24mm Art、あるいは単焦点の14mm Artの3本になる。

APS-Cサイズにつけたときの換算焦点距離は、12mmが18mm相当、14mmは21mm相当になるから、sd Quattroのことを考えると12-24mm(18-36mm相当)が、画角レンジとしてはよさそうに思う。

ただ、フルサイズで12mmというのは、ワタシ的には広すぎて、あつかいが難しい。広さをうまく使いきれないのだ。

もちろん、12mmからのズームであれば、14mmにも16mmにもできるのだし、12mmを使わなければいい、と言う人もいるだろうが、12mmがあるのにそれを使わずにいるのもストレスだったりする。

で、考えあぐねて決めきれない。優柔不断なのだ。

これでサイズが大きく違うとかであれば、まだ選びやすい。

のだけれど、12-24mm Artは最大径102.0×長さ131.5mmで重さが1,150g。対する14-24mm Artは最大径96.4×長さ135.1mmで重さは1,150g。12-24mmのほうが少し太くて、14-24mmのほうが少し長いという違いがあるだけで、重さはまったく同じ。絵に描いたようなドングリの背比べである。ずいぶんでかいドングリだが。

細かいことを言えば、最大径が大きいほうがキャップも大きくなるのでそのぶん重くなるだろうが、そこまで考えるのもあほらしい。

もうひとつ、焦点距離のほかに、開放F値の違いも見逃せない。低輝度に弱くて高感度が苦手なsd Quattroには少しでも明るいレンズのほうが有利になる可能性はある。

と考えると、14mm ArtのF1.8という明るさは見当に値するだろう。が、こちらも最大径95.4×長さ126.0mm、重さ1,120gだから、少し小さくて軽いものの、つまりは、背比べするドングリが増えただけで、状況としてはあまり好転していない感しかない。

そんなこんなで考えあぐねた末に、これに決ぃめたっ、と選んだのが14-24mm Artだった。という次第。

最終的には、画角レンジと明るさの両方が、ある程度にせよ、満足できる範囲だったことが決め手になった。

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使ってみた印象と写りのすごさのこと

sd Quattroでは、予想していたとおり、画角的にもう少し物足りない感はあったが、そのぶん、α7 IIにはぴったりはまった。これも予想どおりだったが、重さはけっこうしんどい。α7 IIのグリップが小さいせいで、重いレンズをつけたときのホールド性があまりよくないこともあって、腕力と握力が弱い人にはおすすめしづらいと思う。

ただ、写りはすごい。さすがである。

今回は、sd QuattroをDNG形式で使ったので、Foveon X3らしい色のノリはなかったけれど、解像性能のよさは堪能できた。やっぱ、Artレンズ半端ねぇ、って感じである。

以下、作例画像は、Lightroom Classic CCで階調を多少調整しているが、レンズ補正とかはなし。sd Quattroのはシャープを「0」で、α7 IIは初期設定値の「40」で現像している。

こちらはsd Quattroで14mmで撮ったカット。21mm相当になるので、広角好きにはもうちょっと物足りない。が、外側をカットするぶん周辺光量落ちが気になりにくくなるのはいい点。それにしても歪曲がよく補正されている。
sd Quattro 14mm 絞りF8 1/200秒 -2.7EV

撮った画像を見たら、ほとんどを14mmで撮っていた。これなら14mm Artでもよかったかもなぁ、とあとで思ったのは内緒だ。
sd Quattro 14mm 絞りF8 1/200秒 -1.0EV

sd Quattroでの広角端14mmで、画角外に太陽がある状態。フレア、ゴーストは出るけど、いやな出方ではない。
sd Quattro 14mm 絞りF8 1/100秒 -1.7EV

超広角は被写体に正対して撮ることのほうがわりと多いので、これはわざとパースペクティブが出るような撮り方をしてみたもの。もっと画角が欲しいなぁ、と思ってしまう。
sd Quattro 14mm 絞りF8 1/320秒 -1.0EV

14mmの絞り開放で寄って撮ったカット。大口径だけに少しは背景もボケてくれる。でも、ピントが合っている部分がきっちりシャープなのはArtレンズならでは。
sd Quattro 14mm 絞りF2.8 1/2500秒 +1.0EV

ここからα7 IIで撮ったもの。画面内にわざと太陽を入れてみた。フレアもゴーストもあまり気にならないレベルだと思う。
α7 II 14mm 絞りF8 1/320秒 -0.7EV

こういう被写体を見つけると、超広角楽しい、ってなる。
α7 II 14mm 絞りF8 1/400秒 -0.3EV

絞ったときの周辺光量落ちはちょっとクセがあって、四隅だけ暗くなる。
α7 II 14mm 絞りF8 1/250秒 0.0EV

で、Lightroom Classic CCの「切り抜き後の周辺光量補正」で補正したもの。ちなみに、適用量:+10、中心点:84、丸み:+44、ぼかし:66。

ここまでほとんど14mmのF8だったので、中間の焦点距離のも載せておく。てか、14mm以外のをほとんど撮ってなかったりする。
α7 II 19mm 絞りF5.6 1/640秒 +0.3EV

絞り開放で寄り気味にしている。周辺光量が落ちているのは、Lightroom Classic CCでいじったぶんもある。
α7 II 14mm 絞りF2.8 1/640秒 -0.3EV

広角端の歪曲収差を見たくて撮ったカット。建物の上端のラインがきれいにまっすぐ。超広角でこういう撮り方をしても不快にならないレンズはほとんどない。すごい。
α7 II 14mm 絞りF4.5 1/125秒 -0.3EV

テレビ塔のお足もとに迫ってみた。重いのはほんと重いけど、それを我慢する気持ちになれるレンズだと思う。安くないけど、買って損はしない。はず。
α7 II 14mm 絞りF4 1/800秒 -0.3EV

まとめ

おそろしいことに、手もとのSAマウントのレンズが、気づけばAPS-Cサイズ専用タイプのを含めて6本目。おおざっぱにだが、14mmから400mmまでカバーするシステムができてしまっている。

合計5,810g。フルサイズ対応の5本でちょうど5kg。いけない重さである。こんな重さではますます沼に沈んでしまう。

最近、どこからともなく、EマウントのArtレンズはAFが速いらしい、とかいう話まで聞こえてくる。幻聴だと思いたいのだけれど……。

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