新しいカメラを買って最初にやるのが操作系のカスタマイズ。これがうまく決まると自分のカメラになったーっていう実感が湧く。
さて、α7系も3世代目のα7R IIIになって、カスタマイズの幅もかなり広くなった。のはいいのだけれど、選択肢が多いものだから、どのボタンにどの機能を割り当てるかを考えるのも大変になってしまう。
なのに、ボタンに割り当てられる機能の情報が使用説明書にはない。オンラインのヘルプガイドにも各メニューの初期値はあるが、候補の一覧はやはりない。
カメラの画面を見てやりなさい、ということなのだろうが、狭い画面では効率が悪い。いらいらする。そういうストレスを軽減するための使用説明書なりヘルプガイドであるべきで、その点ソニーのはものすごく不親切だと思う。
というわけなので、頭の中をすっきりさせるためにもちょっと整理しておきたい。
目次
ポチップ
ボタンに割り当てられる機能を書き出してみた
こういうのはゲームと同じで、まずは持っているカードを全部把握して、その中でどういう手が作れるのかを考えていくのがよいと思う。
以下、α7R IIIのボタンに割り当てられる機能を全部あげてみる。けっこういっぱいだ。
- ファイル形式
- JPEG画質
- JPEG画像サイズ
- 縦横比
- APS-C S35/フルサイズ切換
- ドライブモード
- ブラケット時のセルフタイマー
- ピクセルシフトマルチ撮影
- MR M1/M2の登録
- 押す間カスタム設定呼出1 ※
- 押す間カスタム設定呼出2 ※
- 押す間カスタム設定呼出3 ※
- フォーカスモード
- 押す間AF/MFコントロール ※
- 再押しAF/MFコントロール
- フォーカススタンダード ※
- フォーカスエリア
- フォーカスセット
- 押す間登録フォーカスエリア ※
- 再押し登録フォーカスエリア ※
- 登録フォーカスエリア+AFオン ※
- 中央ボタン押しロックオンAF
- AF時の顔優先
- 瞳AF ※
- AF被写体追従感度
- AFオン ※
- フォーカスホールド ※
- AF時の絞り駆動
- 露出補正
- ISO感度
- ISO AUTO低速限界
- 測光モード
- マルチ測光時の顔優先
- 押す間AEL ※
- 再押しAEL
- 押す間スポットAEL ※
- 再押しスポットAEL
- フラッシュモード
- 調光補正
- ワイヤレスフラッシュ
- 押す間FELロック ※
- 再押しFELロック
- 押す間FELロック/AEL ※
- 再押しFELロック/AEL
- ホワイトバランス
- AWB時の優先設定
- DRO/オートHDR
- クリエイティブスタイル
- ピクチャーエフェクト
- ピクチャープロファイル
- ピント拡大
- ピーキング表示切換
- ピーキングレベル
- ピーキング色
- フリッカーレス撮影
- カメラ内ガイド ※
- MOVIE(録画)
- S&Qフレームレート
- 録音レベル
- 音声レベル表示
- マーカー表示切換
- サイレント撮影
- 手ブレ補正
- 手ブレ補正調整
- 手ブレ補正焦点距離
- ズーム
- 絞りプレビュー ※
- 撮影結果プレビュー ※
- FINDER/MONITOR切換
- ファインダーフレームレート
- ゼブラ表示切換
- ゼブラレベル
- グリッドライン
- ライブビュー表示切換
- ブライトモニタリング
- 電子音
- スマートフォン転送
- FTP転送
- 再生
- モニター明るさ
- ガンマ表示アシスト
- タッチ操作切換
- TC/UB表示切換
- 優先記録メディア
※の項目は左右下ボタンには割り当てられない
たくさんある候補の中からいらない項目を削って絞り込む
ここからいらないカードを捨てて見とおしをよくする。使わない機能、一度設定したら変更しない機能を削っていく。
ざっくり削って残りが21個。この中から、ボタンに割り当てる機能を考えていく。
- ドライブモード
- 押す間カスタム設定呼出1 ※
- フォーカスモード
- 押す間AF/MFコントロール ※
- 再押しAF/MFコントロール
- フォーカススタンダード ※
- フォーカスエリア
- 瞳AF ※
- AFオン ※
- ISO感度
- ISO AUTO低速限界
- 測光モード
- 押す間AEL ※
- 再押しAEL
- ホワイトバランス
- AWB時の優先設定
- ピント拡大
- 手ブレ補正
- 絞りプレビュー ※
- 撮影結果プレビュー ※
- モニター明るさ
α7R IIIには全部で11個のカスタマイズ可能なボタンがあって、さらにコントロールホイールとレンズのフォーカスホールドボタンにも機能を割り当てられる。
それからファンクションメニューにも12項目を登録できる。こちらで用が足りる項目というのも考えないといけない。
基本的には撮影中に頻繁に切り替える機能はボタンに、撮影の合間に切り替えることがある機能はファンクションメニューに、という具合にわけていく。
で、右手親指がとどきやすい位置にあるボタンは、ファインダーをのぞきながら押したり離したりするような機能を割り当てる。
指をぐっと曲げないと押せないようなボタン、カメラを持ち替えないと押せないボタンには使用頻度が低めの機能を割り当てる。
「ドライブモード」なんかは一度切り替えればしばらくはそのまま撮影するものなのでファンクションメニューでもいいが、初期設定で左ボタンに割り当てられていて、アイコンもプリントされていることだし、こういうのはそのまま使っちゃおう、とかも考えて整理していく。
とりあえずのワタシ的カスタムキー設定の中身である
試行錯誤の中身まで書き出すとキリがないので、現状でのワタシのセッティングを書いてみる。
正直言って、ワタシ、自分のことは特殊な人間だと思っているので、普通の人におすすめできるセッティングだとは考えていないので、口が裂けても参考にしてくださいね、なんて言えない。そのへんはご了承いただきたい。
前回の記事「ソニーα7R IIIでAF-Cモードのまま「ピント拡大」する方法を見つけたのだ」で書いた部分はこちらでははしょって、それ以外のをごらんいただこう。
コントロールホイール:未設定
ホイールの回転に割り当てられる機能は少ないこともあるが、気づかないうちに触ってしまって設定が変わるのも怖いからなにも割り当てない。
「フォーカス位置移動:左右」を試してもみたが、マルチセレクターでいいじゃんね、ってなったので、やっぱり「未設定」である。
C1ボタン:再押しAF/MFコントロール
上面右手側のC1ボタンはちょっと指が窮屈な位置なので、使用頻度低めの「再押しAF/MFコントロール」を割り当てた。機能の内容は前回触れたのでここでは省略する。
これはおもに70mm F2.8 DG MACRO Art対策だ。このレンズは電子式のフォーカスリングを採用しているため、MFに切り替えないとフォーカスリングをまわしてもピントが動いてくれない。
が、「フォーカスモード」でそれをやろうとすると「ボタンを押す→ダイヤルを回す」という2アクションが必要になる。
一方、「再押しAF/MFコントロール」なら、ボタンを押すだけでAFとMFの切り替えができる。ので手っ取り早いわけだ。
ちなみに、オリンパスだと「MF切換」という名称だったりする。そういうシンプルさ、明快さがないのがソニーのスマートじゃないところだと思う。
C2ボタン:ピント拡大
C1ボタンよりはずっと楽に押せる場所にあるのでよく使う「ピント拡大」を割り当てた。
AELボタンやマルチセレクターの中央ボタンに割り当てるのも試してみたけれど、AF作動関連のあれこれを親指に集約した結果押し出されちゃった次第である。
C3ボタン:モニター明るさ
背面の左手側、MENUボタンの隣という辺鄙な場所にあって、カメラを持ち替えないと押すことはできない。
ので、いちばんつまらない、けれど、とても大事な機能を割り当てた。
なにせソニーの液晶モニターはバックライトが暗くて、天気のいい野外ではとても見づらい。「屋外晴天」モードに切り替えれば外では見やすくなるが、室内では明るすぎるし、電気を食う。
ほんとはこういうのはファンクションメニューに放り込みたいのだけれど、なぜかファンクションメニューの候補からははずされている。なので、ボタンに割り付けないといけないのだ。
α7 IIのときにはC4/削除ボタンに割り当てていたが、α7R IIIで遠方に引越したC3ボタンに移動させることにした。
C4ボタン:絞りプレビュー
Eマウント機は基本的に実絞りライブビューなので、本来はプレビュー機能は不要だ。が、そこをあえてのプレビュー機能である。
と言うのは、ブツ撮りとか夜景とかの、暗いのに絞り込んで撮るときに光量不足で画面が見づらくなるからだ。
そういうときは「ライブビュー表示」で「設定効果反映Off」に切り替えると開放ライブビューになるので画面が明るくなったり、ざらつきが減ったりする。
その代わりに被写界深度が確認できなくなるので「絞りプレビュー」を使うわけだ。シグマのSGVライン以外のレンズとか(Aマウントのレンズもそうかも)を着けたときも開放ライブビューになる。ワタシの場合はマクロ 105mm F2.8 EX DG OS HSMとAPO マクロ 150mm F2.8 EX DG OS HSM対策という部分が大きい。
ちなみに、「絞りプレビュー」をやると、グリッドや測距点のフレーム、水準器やヒストグラムとかも全部消えてくれるので、非常にすっきりした画面が見られる。案外に気持ちがよいのでこれは試してみてもいいと思う。
あと、「撮影結果プレビュー」にしない理由は、暗いシーンで動きが悪くなる感じが好きじゃないから。お好み次第ではこちらもいけると思う。
中央ボタン:フォーカススタンダード
前にほかの記事でも書いたと思うけど、この「フォーカススタンダード」なる名称はほんと理解に苦しむ。
「測距点中央リセット」とかでいいと思うんだよ、マジでさ。
初期設定ではマルチセレクター(ジョイスティック)の中央ボタンに割り当てられている項目だが、これもAF関連の機能のからみで押し出されたかっこうだ。
正直、なかったとしても泣くほど不便というわけではないが、あったほうが便利なものだから、という感じである。
左ボタン:ドライブモード
右ボタン:ISO感度
下ボタン:ホワイトバランス
コントロールホイールの左ボタンと右ボタンは初期設定が「ドライブモード」と「ISO感度」になっている。このへんはファンクションメニューに入れてもいいのだけれど、プリントされていることだし、というのもあってそのままにしている。
下ボタンはα6500とかで「露出補正」が割り当てられている関係だろう、初期設定では空きになっている。
左右ボタンの機能とも考え合わせて「ホワイトバランス」を選択した。
フォーカスホールドボタン:押す間カスタム設定呼出1
フォーカスホールドボタンがあるレンズを持っていないんで、使い道はないのだけれど、たぶんあればこれだなぁと思う。
135mm F1.8 DG HSM Artみたいな重いレンズにこのボタンがあれば、右手親指をホールディングに専念させられるだろうし、便利なんだけどねぇ。まあ、ないものねだりなんですけどね。
まとめ
で、ここまで来て、AEロック機能がないことに気づくわけ。ワタシ的にはほとんど使わないんだけど、ときどき必要になる。これをどうするかでちょっと悩んでいたりする。
それと予想はしていたけど、やっぱりまた長くなっちゃったんで、ファンクションメニューについては次回に持ち越すことにした。
ポチップ
α7RⅡを使っているオレはC4ボタンに手振れ防止のON/OFFを割り当てている。手持ちと三脚撮影が混在する撮影が多いので、、、